さとブログ

アラサー独身男。日々の学び。毎日更新。

所得階級にはガラスの天井がある。「「学力」の経済学」を読んで得た気づきについて。貧困の世代間連鎖で一番損をするのは誰か?

私の家庭は地方公務員の父と

美容師の資格を持つパート主婦の両親からなります。

世間によくある一般的な中流階級の家庭です。

 

大学進学時に放射線技師の学校を選択しました。

とはいえ全く親の影響を受けていないわけではありません。

なぜなら、国家資格と安定性の良いとこ取りが放射線技師だからです。

 

放射線技師になると決めたとき、両親の否定は特にありませんでした。

純粋に応援してくれました。

 

 

これは両親の理解があったのは事実です。

しかし、その職業選択で同意が得られるかは

両親の所得階級も大きな要因となるでしょう。

 

医者の子どもは総じて医者になることが多いです。

これはどうしてでしょうか?

やりがいがあることはもちろんです。

親の姿を見て医者になりたいと言ったときに親が止めないことも要因でしょう。

 

親が子どもの仕事を止めようとするのは

その仕事の展望性や安定性に不安を感じるときです。

大人になれば現実的な目線になります。

やりがいとしての側面もありますが食べていくという点も重視します。

 

所得が高いことは圧倒的に有利です。

現在の生活を維持するためにも

所得は職業選択の大きな要素の一つでしょう。

 

中流家庭の私は放射線技師を選択しました。

これは中流から中流への再生産てす。

対して医者の子どもが医者の場合、上流から上流の再生産となります。

 

子どもが親と同じように医者をしたいと言ったとき

本気で親がそれを止めることはない気がします。

同様に人並み以上に安定している業種では

自分の仕事の良さを知っているので否定することはありません。

よって中流上流が固定層になるのです。

 

また、社会人生活で

ほかの所得階級の人と交流する機会はあまりありません。

自分より恵まれた階級の人を見ると幸福度が落ちるため

自ずと見ないようになります。

どうしても相対的に評価してしまうのです。

 

貧困の世代間連鎖という問題があります。

田舎や都市部のブルーワーカーの子どもは

貧困から脱出することが難しいといいます。

経済的に余裕がないために

親が子どものために割く時間や教育投資に当てられる資金が少ないからです。

 

中室牧子さんの著書「「学力」の経済学」では

幼い頃の教育に投資することが

もっとも子どもにとって投資効率がいいと述べられています。

 

 

そして歳が経つにつれ、その差は大きく開くと言います。

つまり、低所得では子どもへの教育投資ができず

その差が歳を立つにつれ、大きな学歴の差を生み出すのです。

 

経済不況に伴い子どもへの出資の差が開くにつれて

学力の差を埋めることが難しくなってきました。

ブルーワーカー家庭から生まれた子が

高所得者になるというのは一種の下剋上です。

 

不況による家庭への影響と

社会保障費の増大による教育の軽視により

階級から抜け出せない貧困の連鎖を助長しているのは

社会にとって良いはずがありません。

 

大きな世代間連鎖は社会の分断になるし

同じ階級を再生産していれば

似た者同士ばかりがそろった同質性の社会になり

面白みも真新しさにも欠ける未来になる気がします。

 

多様性は会社の生産性を上げるといいます。

これは男女の話だけではなく

あらゆるバックグラウンドも大事な要素です。

 

だからこそ、教育へ投資をすることは

個人だけでなく国家のためにも必要でしょう。

貧困の世代間連鎖で一番損をしているのは国なのです。

 

そしたらまた。

 

☆所得やお金の使い方に関する過去の記事をまとめました。

興味があればぜひ。

 

doppy-yan.hatenablog.com

 

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