情報弱者について思うこと。ボッタクリの経済学。ボッタクリは絶対悪ではない。
情弱という言葉があります。
情報弱者の略で、手段や環境がないために
十分な情報を得られない人を指すスラングです。
典型的な例では高齢者における振込詐欺であったり
スマートフォンやPCがないことによって
獲得できる情報の鮮度が劣っていることが挙げられます。
情報弱者の対義語は情報強者で
この情報格差(デジタル・ディバイド)が問題なのです。
デジタル・ディバイドの理由は以下のようなものです。
- 学歴や教育、所得
- 地域差(都市と地方)
- 身体的障害、知的障害
- 高齢化
- 習得するための訓練をしていない
上記を見る限り、1〜4に関しては
自助では解決しにくい問題だと言えます。
情報格差を埋めるには社会全体が問題意識を持つことが必要でしょう。
デジタル・ディバイドの解決法については今日は触れず
今日は⑤の「習得訓練」に関して考えてみます。
もしあなたがPCに関する知識が一切ない状態だとします。
仕事の関係で、来週までに使える状態に準備しなければなりません。
このシチュエーションであなたはどのような選択をするでしょうか?
おそらく次の二択になるはずです。
- 知識を習得しながらPCを使える状態に仕上げる人
- 諦めて使いこなせる人に全部委託する人
私の場合はすぐに後者を選択します。
なぜならそのほうが費用対効果が良いからです。
経済学に比較優位という用語があります。
リカードが提唱した理論です。
比較優位とは
簡単に言うと特化している状態を好ましいという考える理論です。
たとえば、イタリアとフランスで
同じようにトマトとブドウを生産していたとします。
農業従事者一人当たりのトマトの生産量は
イタリアでは50kg、フランスでは30kgでした。
ブドウの生産量はイタリアでは40kg、フランスでは60kgだったとします。
完全に自由な貿易が成立しているとして
2つの国が豊かになるにはどうすればいいでしょうか?
自然とイタリアではトマトに特化し
フランスではトマトよりもブドウの生産が盛んになっていくはずです。
つまり、比較優位というのはその国(人)の向き不向きを反映します。
人でいえば適材適所という言葉が当てはまります。
私は⑤の項目に至っては、比較優位的な考えを持っていて
必ずしも訓練する意味はないのではないかと考えています。
全く知識がない状態から100までの知識をつけるならば
それに要するコスト感覚が重要です。
先の例に関して言うと、パソコンをイチから立ち上げる作業というのは
頻繁に求められるわけではありません。数年に一度ペースの稀なことです。
つまり、その都度勉強するよりも
使いこなせる専門家に依頼するほうが効率的なのです。
一週間かけてセットアップする時間を本来の労働に費やせば
得られる利潤がどれほどであるか考えるべきなのです。
現にパソコンのセットアップで
暴利とも言えるような金額を請求する業者もあります。
視点によってはボッタクリにも見えます。
ですが、イチから社員が作業するコストよりも
専門家に依頼すればその分の時間コストや
仕事に対する士気を損ないません。
よって仮に割高と感じても
時間的コスト、思考に要するコストを換算すれば
安くつくことが往々にしてあるのです。
だからこそ、ボッタクリだと思ったら
一つ引いた目線で物事を捉えて冷静な判断を下すことが大事です。
そして適切な判断が、豊かさに繋がることは忘れてはなりません。
そしたらまた。