習慣化に重要なことは何か?スモールステップの原理とは
みなさんは何かを始めようと決意したとき、その習慣は長続きしますか?
ライブでカッコよさに感化されてギターを始めたり、シックスパックになりたいと思ってジムに通い始めたり、勉強のために毎日読書をする習慣をつけたり…
人の数だけ習慣化させたい目標はあるでしょう。
ですが、続けられずに断念する人が非常に多いです。もしも新たな習慣化が続いていないなら、その理由はあなたが怠慢さが理由ではないかもしれません。
ギターを始めたとします。ギターを始めたからには、その目標はロックバンドのイケメンギタリストのように、弦をかき鳴らしカッコよくキメたいというのは誰もが思うでしょう。
はじめはモチベーションも高く練習に打ち込んでいくのですが、バレーコードに到達するころには、急激に練習に取り組んだため、指もボロボロになり、気もそぞろになってしまうのです。
このようにしてギターを練習し始めた大半の人々は挫折してしまい、ギターをやめてしまいます。
この教訓からわかるのは、挫折の理由が目標点の高さにあることです。
高すぎる目標設定は、到達に至るまでの過程が遠くなります。途方もない感覚を味わってしまうために、みな挫折してしまうのです。
私は昨年の春にアコースティックギターを始めました。コロナであることもあり外出も厳しく、難しいとわかっていながら独学ではじめました。
幸いにも周りにギター経験者が多く、長い目で練習したほうがいいと私に教えてくれました。
そのため、1年くらい時間をゆっくりかけて弾けるようになれればいいなと思いながら練習していました。
私が習慣にしていた練習はとてもシンプルでとりあえず毎日ギターを触るということでした。
教本の内容をどんどん先に進めることを優先せずに、毎日基礎的な練習をし、ギターを一時間触るということを習慣にしていました。
また、目標も細分化しました。
来週までにこのチャプターを終わらせられるように練習しよう、というように目標の設定地点を近い時間軸に設定しました。
この甲斐あってか、一年とたたないうちに、弾き語りができるレベルに成長することができ、ギターを弾くことの楽しさを身にしみて感じることができるようになりました。
私がこのギターの練習から学んだ教訓は、細かい目標設定を立てることは習慣化しやすいということです。
小さな目標を立て、それを達成したという成功体験を自分に与えることが重要なのです。
その成功体験によって、難しいコードもへこたれずにちょっとでいいからやってみようと思え、モチベーションを保つことができました。
そして一定数の成功体験があることは、本人の自信につながると私は感じました。
アメリカの心理学者であるバラス・スキナーは「プログラム学習」を提言しました。
これは心理学の理論を応用した学習方法であり、そのなかで彼が提言した5つの要素の一つにスモールステップの原理というものがあります。
小さな歩み(step)を積み重ねることによって、緩やかに難易度が上がっていくように教材をこなすことで、最終目標を達成できるようにするというのがこの原理の考え方です。
つまり、個々の目標点を小さなStepとして本人が認識するように構築することが重要なのです。
ギター初心者がいきなりFコードを弾けるように練習するというのは不可能です。
ギターに関しての基礎知識や技術があってそれを習得した結果、難しいコードに挑戦でき、身につくようになるのです。
私はスモールステップの原理の効果はこれだけではないと考えています。
それは、スモールステップの原理をもとに大きな課題をクリアできるようになったという成功体験はいろいろなところで本人のモチベーションを下支えする要素になるからです。
ギターを1年間毎日弾き続けてきたという経験は、個々で見ればさほど難しくないかもしれません。ですが、全体としてみるとすごく気持ちが遠のく感じがすると思います。
また、大学受験で過酷なセンター試験や二次試験を突破してきた学生は、推薦組の学生よりも、厳しいなかを切り抜けてきたという成功体験が強くあります。
だからこそ、過酷な就職試験や資格試験に忍耐強く取り組めるし、彼らは自信を持っているのです。
このような結果が、一般入試組のほうに優秀な学生が多かったり、推薦組が就職活動で苦戦を強いられるということに現れてくるのだと私は考えます。
つまり習慣化により積み上げた過去の成功体験は、次に大きな問題に立ち向かったときに、分野の垣根すら超えて本人を支えてくれるのです。
今後の生活をよりチャレンジングなものにして、それを形にするためにも習慣化というものは有効で、その過程にスモールステップの原理を応用することは非常に効果的です。
少しずつの歩みでも、習慣として続ける価値は非常に大きいのです。
そしたらまた。