技術屋と職人の違いは何か?技術の発展と技術屋の今後を推測。北野唯我さん「転職の思考法」を読んで。
私は放射線技師として働いています。
放射線技師は、撮影装置ありきの業務となっていて
レントゲン撮影の装置やマンモグラフィのような小さなものから
MRI装置やCT装置などの大掛かりな装置まであります。
放射線技師の業務はかつては技術屋としての色が非常に強くありました。
レントゲン写真一枚とっても
暗室での現像作業やフィルム出し
フィルムの濃度も適性な写真を得るためには
一発勝負で体得的なカンが重要でした。
技術屋としてのカンが当時は職場から重宝されていました。
よって、技術屋を替えが効かない存在として職場は認識するのです。
そのため欠員が出ると死活問題になることから
結果的に報酬額も高くなり、給料は底を割ることはありませんでした。
時代は流れていき、近年の話をします。
技術の発展により、装置も高度に進化してきました。
かつてフィルムに出していたレントゲン写真は
今では現像することはめったにありません。
現像機さえない病院が多くあります。
またかつてのCTやMRIに関しては画像を得るために
自分の経験とカンをもとに値を入力したり、考える必要がありました。
それが今や、値を入力することがなくても
画像を作れるように装置が優秀になってきました。
カンや経験がなくても
ある程度の水準の画像を担保できるようになったのです。
ダイヤモンド社から出版されている
北野唯我さんの「転職の思考法」という本を読みました。
ぜひ読むことをオススメする人は次のような人です。
- 自分のなかに転職が悪だと思う心がある
- 働き方に一本通った筋がない
この本ではコモディティ化せず
自分にキャッチコピーを貼れと述べています。
コモディティというのは汎用化と訳されます。
モノとモノに大差がなくなるという意味です。
技術屋としての職業は
コモディティ化していくのは間違いありません。
つまり
替えが利かない存在というのは技術革新により必要とされなくなり
替えが利く存在に変わっていくのです。
病院からすると
人件費のかさむベテランを雇うよりも最新の技術を搭載した装置を使って
誰もが働ける環境を整え、職員を使い捨てるような構造のほうが
コストを安く済ませられるかもしれません。
長い目で見るとそのような変化は起こりうるのではないでしょうか。
このことから私が思うのは
技術屋と職人は全く違うということです。
技術屋は結局のところ、技術革新には抗えません。
これはクリエイティビティがないからです。
それに対して、職人は技術革新の影響を受けません。
これは職人は作り出す人だからです。
自分でなにかを生み出せる人でなければ
コモディティ化してしまってどんどん替えの効く存在になってしまいます。
技術屋は黎明期でこそ報酬に恵まれ重宝されますが
いずれコモディティ化していき
買い叩かれるようになるということを忘れてはなりません。
技術屋は職人になれるようシフトしていくべきなのです。
そしたらまた。
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