さとブログ

アラサー独身男。日々の学び。毎日更新。

【仕事がツラい友人の君へ】仕事とごはん、安全な寝床を維持することは奇跡だ。


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私はいま、南の島に来ている。

 

フェリーに乗って、本土を離れ海を漕ぐ。

周りは海。ひたすらに海。

遠く見える島影は目的の島だ。

 

低気圧で波が高い。

どんぶらこどんぶらこ

大波に揺られ前へ進む。

 

目をつむる。

船先が海の表面を波縫いするように前へ進む。

 

イマジネーションは可能性だと思う。

それでも今日はこの限りではない。

大波では酔いそうだ。

少し眠る。

 

島につく。豊かな島だ。

ビロウの黄緑

濃緑に光る葉に紅が映えるハイビスカス。

降り注ぐ陽光が強い。

見えるものすべてがエネルギッシュで

艷やかに光っている。

 

海へ抜ける。

足裏に触る砂が心地よい。

スクラブ洗顔フォームのような

砂としてはキメが細かく

でもちゃんと粗い砂。

 

眼前に広がるのは

碧、蒼、青の海。

美しいコントラストに息を呑む。

 

目に映るすべてのものに人の手が

介在していない。

余すところなく原風景の色だ。

 

 

 

友人から連絡がきた。

その友人は激務すぎる仕事と

そのストレスで心を病んでしまった。

仕事をやめるかの瀬戸際で私に連絡をくれた。

 

 

仕事ってなんだろう?

稼ぐための手立てであるなら

稼ぐということが得意な人が強い。

 

勉強の得意不得意のようにして

稼ぐことが不得意であるなら

なんと世界とは容赦がないのだろう。

 

かねがね、一つのことに

全力を注ぐことが恐ろしかったが

今回のことでその思いが増した。

 

実際に遠い場所での話ではなく

同じ釜の飯を食った仲に起きた出来事だからだ。

 

 

私は彼に対して仕事をやめることを

後押しすることしかできなかった。

どんな仕事さえも

心を病むほどの価値がないことだけは

私でもよくわかる。

 

目の前の大自然を見やる。

どこにも人の手を尽くした様が見えない。

 

 

人なんてちっぽけだ。

所詮のところ人は人なのだ。

病気を治すために必死こいて

撮影をしたり、所見を探す自分の仕事も

神の目からすれば茶番にすぎないだろう。

 

諦めの境地から救われる部分もある。

何かができる。何かになるから頑張れる。

という動機づけは貧しい。

長くは続けることは難しい。

糸が切れなければいいのだが。

 

 

ヤドカリを見る。

砂浜を小さな体でせっさと

貝殻を引きずりながら賢明に前へ進む。

彼らは食と住、外敵から

身を守ることに全力を注いでいる。

 

これなんだ。

誰もがいろいろなことに手を出しすぎている。

 

人間は、ヤドカリが抱えていることに加え

若者であれば恋愛に結婚、仕事のストレス

やがて、出産と転職、マイホーム問題

認知症になる祖父母問題となり

親の介護や土地の問題、墓の管理…

 

ヤキモキするし

メンタルにくるものばかりだ。

そりゃ消耗する。

そして時を同じくして

これらは重複することがある。

 

 

何もかもがタイミングだ。

タイミングが悪ければ

いとも簡単に歯車が噛み合わなくなる。

そして、これらの問題は

友人と僕のあいだに差があったわけではない。

 

私はたまたまタイミングがよく

ここまで歯車がズレなかっただけだ。

流れ弾にはいつだって、だれだって

遭う可能性がある。

 

これを忘れてはいけない。

 

その上で気づいたことがある。

 

それは

 

仕事があり、ごはんが食べられて、安全が確保できる寝床で寝られる環境が毎日続いていることが奇跡

 

という事実だ。

 

だから

仕事が合わなくなったということは

それ以上でもそれ以下でもない。

ただ合わなくなっただけの話。

そこに意味もなければ、見出す必要もない。

 

 

誰だって同時に

複数の災難が重なれば気に病む

 

 

だから何事もなく

日々を過ごせていることのほうが奇跡だ。

 

 

仕事をやめることに

抵抗を持つ必要はないし

あなたのやめる意志を食い止める人は

本当の意味であなたのことを思っていない。

 

 

友人が本当に壊れてしまう前に

仕事を辞められて、本当に良かった。

 

 

落ち着いたら南の島を泳げばいい。

そして好きなだけごはんを食べて

心に癒やしを与えること。

抑え込んできた気持ちを開放して

好きなことをすればいい。

 

 

私はいま、本当にツラい人の

心の核心に触れることはできない。

それでも私はわかる。

好きなことをすれば誰だって

気分が晴れやかになるということを。

 

 

私たちは

交差点の向こうと手前にいる

 

ただそれだけの違いなのだから。

 

 

そしたらまた。