さとブログ

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病院経営に学ぶ、家計の財政健全化術

厚生労働省の病院の経営収支によると黒字病院は全体の29.7%、赤字は70.3%であると報告されています。 

そして黒字と赤字の差が大きく開いている現状であり、大きな病院ほど経営が厳しくなっています。 

 

 

安定した経営のためにはコスト管理が重要だと言われていて、人件費や材料費などのコストが過不足がなくなるように管理するというのが重要です。 

 

人件費を削るというのは優秀な人材の流出にもつながるため、諸刃の剣だといえるでしょう。 

そのため、材料費をはじめとした物品のコスト管理がよく行われています。

 

そこで求められるのが物品や在庫の厳密な管理です。 

 

 

 

私は病院の経営健全化への手法と考え方が、家計の健全化に参考になると考えています。 

 

では病院は健全な経営のために具体的にどのようなことをしているのか? 

 

以下に具体例の一部を示します。 

 

 

①物品の消費量の確認 

 

②物品の在庫管理 

 

③類似商品への代替 

 

④機器のメンテナンス、減価償却の計算 

 

 

 

 

 

①については、医薬品の消費量を数えることが挙げられます。使用期限までに使用できなかった医薬品はそのまま損失になってしまいます。物によっては非常に高価なものもある医薬品をしっかり使い切ることは、経営において大事な要素になります。 

 

これは家計において考えると、食料品が挙げられるでしょうか。 

食料品は季節によっては傷みやすく、安かったからと大量に購入すると食べきることができず、結果的に損失になってしまいます。 

使用に期限があるものに対しては、自分の消費ペースを理解すること。そのうえで購入することが大事なのです。

 

 

 

②の在庫物品の管理については、各部署において余りがちな物品がないかを行っています。 

各部署に適切な量がある状態にしておけば、結果的に①のような無駄な廃棄が生まれなくなります。また、定期的に見直すことは、購入量を最低限に抑えリバランスの作用があります。 

 

また、どこの部署に何があるか?ということを把握することは必要以上に購入することを防ぐことができます。 融通できる可能性があるからです。

実際に、数か月に一回の単位で頻繁に各部署の物品数を検討している病院もあります。 

 

 

この例を家計に当てはめるとすると、部屋の整理整頓ということになるでしょう。 

 

どこに何があるのか、ということに対して敏感でなければ同じ商品を複数個購入してしまいます。これは非常にもったいないことです。 

だからこそ、モノの場所をちゃんと指定するということは物品の管理という点で大きな意味があるのです。 

 

また、定期的に見直すという点では、光熱費やスマホなどの固定費の契約会社であったり、保険の見直しなどが挙げられます。

電力自由化スマホの格安競争により、生活の固定費を大きく抑えることができるようになりました。 

地道な作業でなかなか気が向かないという難点はありますが、このようなところを定期的に見直せば、家計に与える影響は非常に大きいのです。 

 

 

③について、病院では定期的に使用物品のコストを計算しています。 

今利用している物品よりもコストが1円でも安いような類似商品が現れた場合には、すぐに契約を変更するのです。病院では使用する数量がとても多く、大量購入をします。そのため多少の差でも、与える影響は非常に大きいのです。 

 

私たちの生活で考えると、これは商品ブランド固執しないというヒントになります。

食料品に関しては商品ブランドプライベートブランドにおいて大きな差があるかもしれません。

ですが、私たちが強いこだわりを持たずに購入しているもの

(私の場合は掃除用品や季節商品です)

に関しては、代用品でもストレスがないという場合が多くあります。

 

こだわりがないものに関しては積極的にいろいろなものを使ってみて、自分なりにその判断軸を決めるとよいと思います。 

 

 

 

 

④に関して、病院では医療機器を購入する際、その病院において予測される稼働率を計算します。これは過去の業績をもとに計算するもので非常にシビアです。 

 

なかでも放射線領域における医療機器は非常に高額で数億円の契約となることもあります。

機械を購入しても減価償却ができないようであれば、一気に病院経営は傾いてしまうのです。そのため減価償却に対しては厳密な数値を出したうえで決断がなされます。 

 

このようにいろいろな買い物に対して減価償却という観点を盛り込むことは大切なのです。 

 

 

 

では家計の場合に応用できることは何か。 

 

重要になってくるのはマイホームや車などといった高額の買い物の場合です。 

 

購入することを否定するわけではありません。購入した場合にどういう戦略でその減価償却をするのかということです。 

 

高額な買い物をするときこそ、しっかりとした出口戦略を準備しておく必要があるのです。

 

また、高額な買い物をしたときにはオプションで追加する項目がいっぱい出てくるでしょう。そのときに、額面の大きさゆえに感覚が麻痺して、簡単に決めてしまう人が多いです。

でも、そのときにこそ、ひと息おいて本当に必要なのか考えることが大事なのです。 

 

その買い物をした場合、使用している向こう数十年においてそれほどの価値をもたらすのか?代用する方法はないのか?と思考をめぐらせることをやめてはなりません。 

 

 

 

以上は一例ですが、このようにして病院は経営されています。無駄なコストを省くということが黒字と赤字の差を生み出す大きな潮目になりうるのです。 

病院がそうなら家計も同様でしょう。

 

もしあなたの家計が赤字であるなら、無駄なコストはどれだろうか?と

会社の経営コンサルタントになりきってみて、一歩引いた第三者的目線から考える価値は大きいです。

そして、面白おかしく家計を健全化することができるでしょう。

 

 

そしたらまた。