さとブログ

アラサー独身男。日々の学び。毎日更新。

【読書感想】小林カツ代さん「ハッと驚くお弁当づくり」。お弁当づくりは何のために?

夏は自炊意欲が極端になくなる。

火を扱った調理で気温も湿度も高まり部屋は熱帯雨林の様相になる。

自然と薄着になる。跳ねた油が熱い。

 

とはいえ、生きるということは食べることである。

食わずして明日を生きられない。

お弁当も作らねばならないのだ。

夏本番の到来を前に私は一冊の料理エッセイに出会った。

それは、小林カツ代さんの「ハッと驚くお弁当づくり」という本である。

 

 

私がはじめて小林カツ代さんと出会ったのは、幼稚園児の頃だった。

母が誕生日にケーキをつくってくれたときに

手元にあった本が彼女との初めての出会いである。

私の母親はゴリゴリのワーママで

今になっては信じられないのだが、衝撃のトリプルワーカーだった。

 

毎日何かしらに追われている私の母であったが

自炊も頑張ってくれていて、いろいろな料理をつくってくれた。

当時も時短料理ブームが流行っていたようで

その先駆けがこの小林カツ代さんだった。

 

私が園児のときはまだ彼女は存命で

本屋のレシピコーナーには彼女の著書が大量にあった。

おぼろげにすごい料理家なんだろうと思っていた。

 

 

社会人になって自分のためにちゃんとごはんをつくる

意欲が削がれた近頃この本と出会った。

お弁当づくりのエッセイである。

 

このエッセイから知ったことは

梅を入れてごはんを炊くことも

竹の皮でおにぎりを包むことも

すべては食べる人を想う気持ちの現れであるということ。 

 

安全なごはんを作ること

そして子どもにとって栄養のあるごはんを作るという

彼女の命題がよく見えてくる。

 

しかしながら、無理なく料理をつくることへの探究もやめない。

料理をする者への労りも忘れない、文章の端々で垣間見えるその茶目っ気。

小林カツ代はみんなの優しいお母さんなのだ。

 

 

ごはん作りやお弁当作りに疲れがちなコロナの夏だからこそ

彼女の料理と言葉はモチベーションを支える助けになる。

お弁当に必要なのは、映えでもなくキレイさでもない。

栄養がしっかりと取れて、おいしく。

かつ安全であればいいのだ。

 

元祖ワーママの彼女だからこそ

共働き現代社会を生きる私たちの料理の悩みを掬い上げてくれる。

非常に励みになるエッセイだった。ぜひ読んでみてほしい。

 

最後に本書の中で紹介されていたレシピのうち

私が好きな料理を一つご紹介する。

お弁当に入れても美味しかったのでおすすめする。

 

🌸きつねどん

具材:油揚げ、玉ねぎ(長ネギ)、卵

 

油抜きした油揚げを3,4つに切る

醤油とみりんを同量、砂糖を好みで少々、酒と水を醤油の倍量入れる

鍋にいれ煮立て、煮立ったら油揚げを入れる

再び煮立ったら、玉ねぎを適当に刻んだものを加える

玉ねぎが煮えて味が染みたら、卵でとじて、七味唐辛子をかけて出来上がり

 

※長ネギの斜め切りでもよいが、煮すぎは禁物

 さっと強めの火加減で煮るのが良い

 

もし作ってみておいしかったら

本編に書いてあるほかの料理を実践してみるとよいだろう。

あなたにとって新しい発見があるかもしれない。

 

そしたらまた。