さとブログ

アラサー独身男。日々の学び。毎日更新。

【ハラスメント】育休の実態は、逆マタニティハラスメントの温床。これって私が不寛容なの?

 

私は病院で放射線技師として働いています。
放射線技師という職業はレントゲン写真や
マンモグラフィ、CT,MRI検査まで
医療における画像検査を担っています。

最近ではピンクリボン運動が盛んになり
マンモグラフィ検診を受ける女性が増えました。
乳房を直接触る検査であるため
セクハラとも感じられかねない観点から
検査実施者は女性であることが好ましく
各職場では女性人材の確保が
以前にも増して重要になってきました。

こういう事情もあり
長らく男社会だった放射線技師の業界の
女性職員の比率は増えてきました。

放射線技師養成校に通う学生も
女性が増えてきて
近年よい傾向に変わりつつあります。

ただ、職場の問題点としては
女性職員の年齢構成です。

放射線技師の職場の弱点


職場の年齢構成はどこの職業でも
30代後半から40代中盤までの
年齢層が少ない特徴があります。
これは、バブルの崩壊を受けて就職氷河期
訪れたことで採用を控える流れが
どの職場にもあるからです。

正職員として就職することが非常に難しく
いまだ安定した職業で就職できていない人が
かなり多くいます。

今の職場の年齢構成は30代前半までの若手と
ベテラン50代に分かれていて
年齢構成のバランスが良い職場というのは
あまりありません。

病院においてもこの流れは同じで
中間層の職員がごっそり抜けているのですが
これに加えて、そもそも中堅以上に
女性がいないことが技師の職場の弱点です。


私が新卒で就職した大学病院は
定時で帰ろうとすると嫌味を言われたり
頻繁に開かれる飲み会で絡み酒されるような
典型的な男社会の職場でした。

また女性職員も若手ばかりで
ほとんど数もいなかったのです。
また、育休を取ろうとした先輩が苦労していたのが実情でした。


育休制度を不寛容なものに認識させる要因は何か?

その後私は転職をし、今の職場に流れ着きました。


今の職場は、30代前半の出産ラッシュに
あたる世代の女性が多く働く職場で
小児の子育て世代の職員の多い
非常に理解のある職場です。

子どもの産休はしっかり1年休めるし
男性職員の育休取得も盛んで
3ヶ月〜1年ほど休む職員もいます。

 

出産のタイミングこそよければ4月からの採用シーズンに被るため

幸運にも代用職員が見つかることはあります。

しかし、働き手が不足している日本社会では
完全な期限つきのパート職員かつ
ボーナスがなくても安く働いてくれる
都合のよい人間はいません。


そのため、育休者が出ると代用のポストは
空きのままになることがほとんどです。
その分の仕事は他の職員に割り振りされます。


これをおかしいと思うのは私だけでしょうか?
子どもを産んで育休を希望するのも権利なら
独身者が結婚を望まずに
オフの私生活を謳歌することも権利です。

もちろん、育休の取得は
好ましく望ましいことです。
私は子どもを授かったなら
1年間育休に入りたいと思っているくらいですし…

ただ、育休が結果的に仕事のシワ寄せ
つまり過剰な労働搾取という形で成立しているところに
違和感を感じてしまいます。


好ましい制度であるはずなのに
実際は職場が職員を買い叩く術になっているのです。


マタハラという言葉を聞いたことはありますか?
マタニティハラスメント。妊婦に対するハラスメントのことを指します。
最近は職員の権利を大切にすることを重視にされ

ハラスメント対策は非常に強固なものになりました。
どの職場にもハラスメントには
目を光らせていて、そこを守るために
上長は必死になっています。


実際、私の周りには
パワハラやセクハラが起きたことはなく
マタハラを見聞きしたこともありません。


それほどに良くなっているのは事実です。


ただ、この良さは育休職員以外の職員の
疲弊の上に成り立っています。
これが逆マタニティハラスメントなのです。


独身の若手の私は、仕事が急に増えたり、キツい配置ばかりが
連チャンすることが多くあります。
自分の時間も削られ、体力的にも疲れるし、頭もよく使うから

脳のキャッシュはゴリゴリに削られる…

だがしかし報酬には跳ね返ってきません!残念!
(超過勤務は単なる時間をお金に換金する行為であり報酬と見なしていない)

 

なんか損してないか…?

とふと思うのです。


ただこれを職場に言ったとしても
『お互いさまだよ』とか
『子どもを育てるって大変なんだよ』
ってなだめすかされてしまう。

だから絶対に言いたくない。

 

そんなことは分かったうえで、それでもやりきれないから言ってるんだよ!

 

 


だがしかし、子どもがほしくなかったり
子どもを産めない人。
一人で生きていく覚悟をした人にも同じことを言うのだろうか。

それはそれでひどい。

制度を維持させ、納得させるロジックで傷つく人もいる。

日本にいると独身という選択肢を選ぶだけで

世帯持ちよりも割高な税金に加えて、職場でもフェアに尊重されることなく

誰かをケアする側に立たねばならないのか。

 

やっぱり今の育休制度って歪んでいる。
育休者が出たらその分だけ、人を補充する。
ダメなら仕事量をセーブすることを職場が認める。
誰かに一度シワが寄ると、味をしめるのは職員の誰でもない。

ただただ職場が得をするだけだ。
成立しているところを見越して、業務量を増やしたり、人員をカットしたりする。

職場の生産性というのはそういうものだ。

生産性の主人公が職員か企業かで意味合いが180度かわる。


きっとこの文章を読んで
なんて生意気な優しさのかけらもない奴なんだ
と思うだろう。


まあ確かに、私は育休者に対して
優しくないかもしれない。

子どもも育てたこともない。

あなたのおっしゃるとおりです。


でも自分に対しては優しい態度であろう。

自分に優しくない人が他人に優しくなれるはずがない。
真っ当でない育休制度の上に成り立っているから
育休明けに子どもが熱を出して休むと

その保護者である職員に対して煙たい空気感になるのだ。

 

どうせ一年だから耐えよう
という発想で続くはずがない。
優しさには持続力がなければ意味がない。

 

もしも、それで結果的に仕事を辞めてしまったらどうなるか?
職場の優秀な戦力を失えば、新人を雇い教育するコストがかかる。

そしてその新人が同じレベルに達するまでにどれほどかかるかわからない。

達する可能性がないことさえある。


それならば、はなから人員構成に意識を向けるか

過剰な業務量を手放す意識をしたほうが良い。

損して得取れである。


このようにして現状の育休制度は
逆マタニティハラスメントの温床である。
誰にとってもが快適な環境をつくるには
簡単に他人の荷物を自分に乗せてはいけないし

もちろん誰かに押し付けるだなんて言語道断なのだ。


そしたらまた。

 

 

☆職業選択の話。今の仕事自体を投資と捉えよう。

doppy-yan.hatenablog.com

 

放射線技師の育休問題。このコラムをより放射線技師という観点で切り出しました。

doppy-yan.hatenablog.com

 

☆就活問題とジェンダー。私は就活で辛酸を舐めたからよかった。

マイノリティでよかった。

doppy-yan.hatenablog.com

 

☆育休でモヤモヤしているなら、キャリアの天井が見えるなら副業をはじめよう。

doppy-yan.hatenablog.com

 

☆殻に閉じこもることは快適だけれど、成長できるのもまた、殻の中まで。

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