さとブログ

アラサー独身男。日々の学び。毎日更新。

【読書感想】「自分の時間を取り戻そう」生産性という言葉が冷たく感じるのはなぜか?コスパという言葉にひそむモヤモヤ。

 

昨今、FIREが注目されています。

FIREとは早期退職をして経済的に自立するということを意味します。

朝から晩までヘトヘトになるまで仕事をするような

労働集約的な働き方に対して異議を唱える人生観は

人気が高く、それ目標に仕事に取り組む人は少なくありません。

 

FIREを達成するためには

労働集約的な働きをせずとも収入を得ることが求められます。

よく聞くFIREの理論は

運用パフォーマンスの高い米国株を1億円を元手に購入し

年平均4-5%ほどの運用実績から

400-500万円の配当金を得て、その配当金を使って暮らしていくという考え方です。

 

そのため、FIREを達成しようとする人は、貯蓄・投資に努めます。

生活に要するコストを大きく減らすことが求められ

また副業などの方法で収入を増やそうとするのが具体的なプロセスです。

 

収入を増やす、という意味でよく議題に上がるのは生産性という言葉です。

単位時間当たりの自分の生み出す価値を上げるという意味で利用されます。

ですが、生産性という言葉を口にすることは、どこか疎ましがられ

冷血なような印象を与えてしまうことがあります。

コスパと生産性は同じ言葉なのに正反対の印象を与える理由

 

貯蓄・投資を増やすためには、可処分所得を増やさねばなりません。

可処分所得を手っ取り早く増やす方法は節約です。

普段購入しているものをほかの安い商品で代用することができないだろうか?

と思考を巡らせ、検討することは非常に重要です。

 

その際に考えられる要素というのは、コストパフォーマンス(以降コスパ)です。

コスパの高いものを使えば、長く使用することができ出費を抑えることができます。

最近ではいろいろなサービス、商品に対してコスパの良さが重要視されています。

つまりコスパは誰しもが考慮する、ポジティブな要素です。

 

生産性に関しては、社会派ブロガー ちきりん氏の著書

「自分の時間を取り戻そう」

が非常にわかりやすくとても勉強になりました。

 

 

 

この本は生産性を高めることの重要さを説いており

現にちきりんさんは、セミリタイアをするべく仕事を絞っていて

生産性を高めることを実践しています。

 

ここで、コスパと生産性について考えてみます。

ちきりんさんは「コスパ」と「生産性」の2つの言葉は

概念としては同じ意味であり

その違いは用法としての差であると言います。(参照ツイート)

 

 

ちきりんさんが考えるにその用法としての違いは

コスパとはモノ、コトのような相手側に対して使う言葉であり

生産性とは相手側だけでなく自分側に対しても使うことができる言葉です。

 

同じ言葉であるのに、生産性では冷たさを感じるのに対して

誰もがコスパを追求し、良いニュアンスとして見ています。

それはなぜか? 

 

この二つの言葉の違いは

その言葉の矛先が自分に向いているかいないのかという点です。

生産性をあげろというと顔をしかめてしまうのに

コスパが高いものには喜んで群がることに違和感を私は感じます。

 

私が重要だと考えるのは、当事者感覚があるか?ということです。

コスパがよいというのは、裏を返すと

販売する側は商品の本来の価値よりも安く買いたたかれているということです。

言葉の矛先は相手に向いています。

 

 

それに対して、生産性という言葉に冷たい印象を受けるのは

その矛先が自分に向きます。

相手が搾取され、結果的に相手の生産性が低いことには好ましく思っているのに

自分の生産性が低いと突きつけられると嫌がります。

 

相手側に生産性という概念の矛先が向いている(コスパ)うちは、

自分はそのままでいられます。つまり心地がよいのです。

ですが、「生産性をあげろ」といわれると怯むのは

その言葉の矛先が自分に向いていて居心地が悪いからです。

そして、それを受け容れるためは経験したことや

見たことのない未知の変身を遂げる必要があります。

生産性の向上に抵抗があるのは現状維持バイアスが強く働くからです。

 

現状維持バイアスの裏には失敗回避動機があります。

失敗回避動機は先日のブログで解説しています。こちらからどうぞ。

 

doppy-yan.hatenablog.com

 

生産性に対する認知的不協和。誰しもが生産性をあげよう!

 

失敗したときのことを考えるから

「生産性をあげる」という命題を回避するような理屈をこねくり回します。

その結果が気持ちに現れ、冷血だとか冷たいというような

疎むような言葉として語られるのです。  

一種の認知的不協和ともいえそうです。

 

私はここに人のエゴさを感じてしまいます。

本心では生産性を高めたい、儲けたいと考えながら、リスクをとることを恐れ

その傍らスーパーマーケットで売られている安い野菜や

ファストファッションの洋服を買い

相手側の生産性を抑えようとするズルさがあります。

 

生産性を上げることは勇気のいる行為ですが

この壁を越えずして自由な生活は得られないのです。

失敗を恐れないこと、失敗を恐れる心理的効果

さらに失敗を恐れることを合理化させる思考のロジックがあることを

頭の片隅においておくことが重要です。

 

そして、生産性を追い求めたい。儲けたいと思うならば

相手にコスパの高いことばかりを要求することもやめるべきです。

だからこそ、誰しもが生産性を高めることが大切なのです。

 

 

そしたらまた。

 

 

☆生活における生産性に関しての記事です。

◎田舎と都会の生産性について

doppy-yan.hatenablog.com

 

◎生産性を高めることで、確保する時間は何のために必要なのか?doppy-yan.hatenablog.com

 

◎自分の時間を取り戻す=自分のしたいことに時間を費やすこと

生産性を高めることで、オールラウンダーからエキスパートになれる

なぜエキスパートになる必要があるのか?

【読書感想】『Dark Horse』を読んでみて。

 

doppy-yan.hatenablog.com