さとブログ

アラサー独身男。日々の学び。毎日更新。

放射線技師の就活問題とレイシズム

今日は放射線技師を取り巻く就職活動と

就職活動ですべきことについて解説します。

 

放射線技師という職業を知っていますか?

放射線技師の業務は主にX線を取り扱う医療行為です。

レントゲン撮影やマンモグラフィバリウム検診

CT検査やMRI検査などが挙げられます。

 

日本人の死亡原因の一位は悪性新生物(がん)であり

近年の食の欧米化により大腸がんや乳がんなどの患者数は増加傾向にあります。

 

中でも乳がんは30代後半での罹患率がグッと上がり40-50代で最も多くなり

比較的若い年齢でも発生するがんです。

最近では、検診の重要性が広く知れ渡り

マンモグラフィ検査の需要が高まっています。

 

マンモグラフィは40代以上の女性の検診に加え

全年代の精査目的として有用とされていて

超高齢社会とともにその需要が高まることが予想されます。

 

 

乳房を引っ張り薄く引き伸ばした状態で撮影するマンモグラフィ

という難しさがあり、近年では女性技師が撮影することが大半になりました。 

 

 

現代の潮流からしても、この変化は止まることなく

現状、人数の少ない女性技師の需要は高まるでしょう。

 

つまり

放射線技師の領域においては

女性であることが圧倒的に就職において有利

ということです。

 

 

ここで放射線技師の採用形態について考えてみます。

先に述べたように撮影装置ありきの業務内容となるため

急な増員は次のような例です。

  • 病院の拡充
  • 大量辞職

そのため基本的にはありません。

そして看護師のように職員数も多くありません。

(大学病院規模で40人前後、中規模で10-15人ほどです)

 

 

退職者分の抜けた穴を採用とすることから

年代構成的にも分散していることが多く

退職者が一年に3,4人と出ることも、難しいのです。

そして採用枠の中で女性技師の需要が高まっている

というのが放射線技師の就活の現状です。

 

 

1985年の男女雇用機会均等法の制定により

求人の募集要項に「男性限定」「女性限定」と書くことは禁じられました。

 

病院においても同様でそのような記載はまず見られません。

ですが、先に述べたように放射線技師の募集は

原則的に人員の補充です。

このため女性の退職者がいたり、人員不足の場合は文章上に記載していないものの

本音では女性を採用することが確定している場合が少なくありません。

 

 

私が学生時代の就職活動のとき

はじめに受験した病院からは不採用通知が来ましたが

採用者を見るに自分の資質というよりは女性採用が目に見えた

出来レースのような採用人事でした。

ガラスの天井というものを身にしみて映像化できた瞬間でした。

 

 

また医療系の就職試験では併願を禁止している学校が多く、

(閉鎖的なコミュニティであり先方の病院から悪い印象を受けるのを避ける目的)

希望の職場を受験できなくなり、その後の就活がとても大変でした。

 

 

仮にどんなに学生時代に勉強してきて優秀でも、

男であるだけで不採用と決まってしまう事実にモヤモヤし

やりきれない気持ちになりました。

 

 

その就職試験がちゃんと男女平等で採用する気があるフェアな試験なのか

職務上やむを得ず女性の採用が決まっているのかは

雇用機会均等法の及ぶ領域ではないと私は思います。

その点は直接的に書かずともしっかりと示すべきではないのでしょうか?

 

学生の場合、おそらく就職活動の段階で病院見学に行くでしょう。

見学の段階で今年の採用の有無を聞くと思います。

その段階でもう一歩踏み込んだ質問をするべきです。

 

それは

内々で男女どちらを採用するか、あらかじめ決まっているのか?

という点です。

 

公の文章としては男女平等の都合から書くことができませんが

相手も同じ技師です。技師の就職事情が大変なことは百も承知です。

だからこそ、彼らは親身になって質問に答えてくれます。

 

内容のセンシティブさゆえ、言葉の選び方には注意を払う必要がありますが、

ここまで聞いてくる学生に対して

ほとんどの病院は悪印象を持たないと思います。

 

なぜなら

踏み込んだ質問してくる=当院を良いと思っている

という指標になるからです。

 

面接前の時点で技師長や部署長に印象を残すことは

コミュニティが狭いからこそ、非常に大きいのです。

 

学校側からどのように言われているかわかりませんが

私はここまでするべきだと思います。

それでなければ病院見学をした意味がありません。

 

試験に落ちてとてもショックでした。

ですが、今考えるとその事実よりも

ただただ杓子定規な雇用機会均等法にモヤモヤします。

出来レースに巻き込まれて

かえって雇用の機会を失ってしまう人の存在も想像すべきです。

 

 

東京医科大学の入試で女子に一律減点をした事件がありました。

この医学部の判断に男女差別だ

というのは非常に簡単で短絡的すぎるのではないでしょうか?

 

私は就職試験の経験から、医学部側の気持ちがわかるのです。

絶対的な平等を形成することで、学生にはよくても

診療科の医師数に偏りが生じることは全体のためにはなりません。

社会のために医療があるなら、その養成校である大学は受験生よりも

医師数のバランスを整えるほうが、結果的に国民の利益になります。

功利主義的な判断はやむを得ないのです。

 

 

どこかにしわ寄せが来てしまうことが避けられないのです。

それならば、いっそのことクォーター制のように

男女の比率を決めてしまえば、フェアなのではないかとも思います。

 

あなたは女性技師の採用問題に対してどう思いますか?

 

そしたらまた。

 

 

 

放射線技師を取り巻く諸問題についてのコラムはこちらから。

doppy-yan.hatenablog.com

 

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