さとブログ

アラサー独身男。日々の学び。毎日更新。

公務員は沈むゆく船の船員なのに人気職種である矛盾。子どもに公務員になってほしい親の特徴

2022年3月の第一生命の実施した調査による

なりたい仕事ランキングによると

小学生男子の7位、中学生男子の2位、中学生女子の4位

高校生は男女ともに2位が公務員です。

 

この調査結果から漂う違和感は

小中学生が公務員の仕事の内容をどれだけ理解できているか?

という点であり

まだ本人が理解している職業の幅が少ないにも関わらず

公務員というつかみどころのない

漠然とした職業を挙げていることです。

 

人を助けたいなら、消防士や医師、

警察官などを上げるはずだし

社会をよくしたいと考えるなら

政治家を挙げるはずです。

 

1 見えてこない子どもたちのなりたい職業像

 

ミクロな視線で限定的な職種を挙げるのではなく

漠然と公務員という仕事をあげているところに対して

子どもの無邪気さ、子どもらしい部分を伸ばすわけでなく

未来を憂える親の気持ちが見え隠れしていて

悲しい気持ちになりました。

 

将来、安定した仕事に就いてほしいあまり

公務員のような安定重視の職業の良さを子どもに伝えます。

もっとも本人たちは擦り込みであるとは自覚していません。

しかし、仕事の魅力まで教えているわけではありません。

だからこそ、マクロなくくりである公務員という結果になるのです。

 

親が悪いわけではありません。

我が子が路頭に迷わないように願うのが親心でしょう。

 

今の日本は安定した生活にこそ価値があり

リスクを取れない社会です。

リスクを取って失敗したときに被る

傷が大きすぎるところが大きな要因です。

 

最短で大学進学、最近では大学院進学まで珍しくないですが

学歴価値としての側面が大きく

実態として大学院がモラトリアムの延長として

消費されているところがあります。

 

ちゃんとした身分がある状況でしか

リスクをとることができない現状に

多様性や社会の寛容度の低さ、ギスギス感や閉塞感を感じます。

 

2 子どもの幸せを願うあまり、子どもを傀儡にしてしまう親たち

子どもの幸せを願うあまり、公務員になってほしいと思う親の特徴を考えてみます。

実際、自分の子どもが職業選択で

公務員になったと言われることが

親にとっては最大の安心材料でしょう。

 

そして今の子どもたちは親と仲が良いです。

実際私も含めて、周りの友人の中に

親と喧嘩して口を利いていないという友人の話は一切ありません。

 

親子関係が良好なことは非常に良いことですが

彼らの大多数は「良い子ちゃん」です。

親を安心させたいというような理由があれば

自分のやりたいことを諦めるには十分です。

 

やりたいことに芽が出ていないようであれば尚更のことで

最短で義務教育、大学進学までぶっ通しで

休むことなく次のステップへ進むことが求められる日本社会では

芽が出るまで自分自身の才能を育てることは容易ではありません。

 

また田舎の場合、職業選択の幅が広くありません。

そこそこな給料をもらえるのは

医療(公的機関の場合)や公務員くらいです。

資格が不要な職業の場合、公務員がトップであることは否定できません。

 

婚期が遅くなることによる晩婚化や

晩婚化と経済力の問題から生じる一人っ子世帯により

親はなるべくなら子供に近くにいてほしいと考えるのが自然です。

そのため近場にある生活水準の良い仕事となると

公務員を職業として選択することを好むのです。

 

田舎の職業、教育については過去のコラムで解説しました。

こちらからどうぞ。

 

doppy-yan.hatenablog.com

 

 

3 問題はシンプル、自分でメシを食っていく技術を養うこと

 

公務員として働くことを望む親の特徴は

計画性、先見性があるところです。

 

未来のことを考えても、その子が困らないように

先を見通す力に長けています。

 

よって、子どもの未来のために教育に投資する親が多いです。

学力を身につけることの重要性を理解しているのです。

 

ですが、彼らが忘れていることが一つあります。

それは子どもの能力を信じていないことです。

 

公務員のメリットは安定性です。

国家が転覆するほどのことがない限り

リストラされることはないため、間違いなく食っていけます。

極論、全然仕事ができなかったとしても

面の皮さえ厚ければ、負い目を感じることはありません。

 

せっせと教育に投資する親たちは

少なくとも自分の子どもが磨けば光る原石だと信じていますよね?

自分の財産も、時間も投入して

子どものために注いでいる、彼らは非常に一生懸命です。

 

彼らは、どこかしらの場所で光り輝くことを期待しています。

それならば、その輝きをかき消す、あるいは輝きを鈍らせてしまう

没個性的な公務員にさせることには抵抗がないのでしょうか?

 

もはや仕事を求めて国外に出稼ぎをする時代も遠い未来ではありません。

国に縛り付けるのには違和感を感じます。

 

だからこそ、子どものやりたいようにさせてやることです。

一定水準の学力教養を身に着け

一つ秀でているところを伸ばせばいいのです。

 

もはや

総合力の時代ではなく、一点突破型の時代なのです。

 

ある程度の素養と学力さえあれば、食っていくことは難しくありません。

だからこそ、本人のやりたいことを伸ばすべきで

親はもっと子どもの才能を信じるべきです。

 

 

そしたらまた。

 

☆読書感想「DARK HORSE」を読んでみて。社会的に成功した人の特徴とは何か。

完璧主義者では勝てない時代になる。

 

doppy-yan.hatenablog.com

☆読書感想「学力の経済学」

所得階級の分断について考える。

 

doppy-yan.hatenablog.com