さとブログ

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【読書感想】病院の悩みと放射線技師が願うことについて。医療面における社会保障の問題点とは何か?

「教養としての社会保障という本を読みました。

非常に勉強になったので、今日は社会保障について話します。

 

☆この本がオススメの人

  • 20代の若い人
  • 社会保障への関心がある初心者
  • 日本の未来に対して暗い気持ちを抱いている人

=========

 

私は放射線技師として病院で勤めています。

CT検査やMRI検査を行う部署です。

 

病院に対するイメージとして印象があるのは

検査や診察で非常に長く待たされることです。

 

こんなに具合が悪いのに、待たされるなんて…!

と思ったことはありませんか?

この傾向は大きな病院であればあるほど顕著です。

不安な気持ちのまま検査を待つ患者の気持ちは痛いほどわかります。

ではなぜこのようなことが起きるのでしょうか。

 

 

 

診療のやりくり術【大規模病院の放射線技師の場合】

放射線部門の検査は

レントゲン写真など簡便なものを除き、基本的に予約制となっています。

曜日により検査数が偏らないよう、振り分けるためです。

 

病院に行くときは若い世代であれば腹痛や発熱など

その症状の変化が急激なものが大半です。

ですが病院全体として見るとそのような患者はさほど多くありません。

どちらかというと、がんや循環器疾患のように

長くお付き合いする系の病気の経過観察であることが大半です。

 

そういった病気の治療効果を見たり

再発の有無を確認する目的でCT,MRI検査は行われます。

概ね診察時に予定を組み、大半の予約枠は近々の日程ほど埋まります。

 

初診で急な体調不良で病院にかかると

検査までに時間がかかるのは予約枠優先で検査をするからです。

ただし、本当に命に関わるような緊急の場合は

医師の指示を受けて、優先的に撮影を行っています。

 

これらのことから浮かび上がってくる放射線技師の苦悩は

予約枠の検査をテキパキ捌き

浮いた時間に臨時検査を割り込ませることです。

 

混雑してくると基本的にあっという間に時間に余裕がなくなるので

あらかじめ装飾品や貴重品などの金属類を外してくれていたり

服装に気を遣ったり(金属類のない下着など)協力的な患者さんがいると

内心ではすごくありがたいのです…(笑)

 

私のお願いは、服装の準備をあらかじめしていてほしいということです。(泣)

早く撮影で呼ぶことができれば、診察も早くなるので

WIN-WINなことではないでしょうか?

 

 

行きたい病院へ確実に行けるのは日本だけ

 

前述のような苦悩は世界中の放射線技師に広く共通する悩みだと思っていました。

ですが、そうではないとこの本を読んで知ったのです。

 

 

日本では病院にかかりたいとき

コロナの以前は直接行くことで受診できていました。

ですが北欧のスウェーデンでは

まず保健医療センターへの電話して

電話口で重症度を判定した上で予約を行うのだそうです。

現在の日本のコロナ対応のような医療体系ですね。

 

予約もすぐに取れることは珍しく

数日単位の時間を要すると言われています。

 

また、手術に関しても日本とは違い

手術に対する予算が組まれていて

一年間にできる数が限られているそうです。

なので手術を待機する期間が空いてしまうそうです。

よって必然的にCTやMRIの検査数も

放射線技師がコントロールできていることになります。

 

 

ですが、このような状況が本当に理想的でしょうか?

財政のバランス感覚としては素晴らしいとしても

医療者としての疑念があります。

 

急性疾患は初期対応が鍵であることは自明であるし

手術までの時間があくことで進行してしまうがん疾患は

すぐに治療できたほうが当然良いです。

 

 

行きたいように病院を選び

そこへアクセスできるのは日本以外にないそうです。

その点で日本の医療制度における社会保障はとても立派で

素晴らしい制度だと再認識できます。

 

 

放射線技師の検査に対する葛藤は今後も続きますが

医療面における素晴らしい社会保障の一助となれるのであれば

これは技師冥利に尽きます。

 

私の願いとしては

洋服に気を遣ってほしいということと

少しばかりでも給与にも反映されてほしいということです!(笑)

 

 

そしたらまた。

 

放射線技師という職業についてのコラムです。

この職業の魅力と就活における問題点について解説しています。

こちらからどうぞ。

doppy-yan.hatenablog.com

 

 

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